西川徹さんが立ち上げたユニコーン企業である株式会社Preferred Networks

国内最強ユニコーンのCEOに直撃、AIの研究開発から事業創出へ拡大する狙いは?/日経クロステック Active

機械学習の実用化を行う株式会社Preferred Networksは、2018年にユニコーン企業入りし、2022年現在では3,549億円と日本国内で1番の圧倒的な評価額を出しています。
今回は、株式会社Preferred Networksの西川徹(にしかわとおる)さんについて記事にしていこうと思います。

小学校時代からコンピュータに興味を持つ

西川徹(にしかわとおる)さんは1982年11月19日に東京で生まれます。
セキュリティ会社の技術者だった父親の影響もあり小学生の時にはコンピュータに興味を持ち始めます。当時はパソコンを買ってもらうことはできなかったので、親から借りた入門書を基に紙の上でプログラミングを行う、ペーパープログラミングをしていました。当時はゲームを作りたいと思っていました。

中学受験に受かったらパソコンを買ってもらう約束を取り付け、中高は筑波大学附属駒場中学校・高等学校に進学します。部活もパーソナルコンピュータ研究部に所属し、1日の半分以上はパソコンの前でプログラミングをしていたそうです。
部活で使用していたパソコンはスペックがそんなに高くなかったこともあり、ハードウェアやプロセッサの資料を取り寄せ勉強しながら、最適なプログラムを組んでいたそうです。西川徹さんが中学生の時にWindows95が発売され、パソコンが普及していくところを見ながらよりプログラミングやパソコンの可能性を感じるようになったそうです。
コンピュータが動く仕組みにより興味を持って、インターネットで調べていると東大の萩谷昌己教授の講義資料が見つかり、受験勉強に興味はなかったがコンピュータを学ぶために必死に勉強し東大の理科一類に合格します。

東大での出会いとPreferred Infrastructureの創業

東大に入学し同じクラスになったのが共同創業者となる岡野原大輔(おかのはらだいすけ)さんで気が合い一緒に行動することが多かったそうです。
岡野原大輔さんが独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の未踏ソフトウェア創造事業に複数回選ばれ、西川徹さんもそこにアルバイトとして加わっていました。西川徹さんは大学院の時にバイオベンチャーで働いた時に同年代の人が少人数で運営しているところを見て自分でもできるのではないかと思い2006年3月にPreferred Infrastructureを資本金30万円で創業しました。
会社名は『Purely functional programing language(純粋関数型プログラミング言語)』が好きなことから、「ピュアリーファンクショナルなインフラストラクチャーを作りたい」ということで『PFI』という略称が先にありました。純粋関数型と言われても一般の人には分からないので、PとFのつく単語で語感の良いPreferredに登記前日に決めたそうです。

未踏ソフトウェア創造事業で開発した技術である大規模全文検索エンジン『Sedue(セデュー)』を開発しました。しかし、完成はしたもののどうやって売ればいいか分からなかったそうです。大学院の卒業間近に迫った2007年3月に携帯電話向け検索エンジンの会社であるエフルートでした。この時に売れていなかったら就職も考えていたそうです。当時は知らいないことも多く、納品して請求書を出してからお金が実際に入るのに2ヶ月かかるということを知らずにいました。そのため、通帳の残高が600円になり、給料を払うのに岡野原大輔さんに借金をするということもあったそうです。

機械学習を利用して、キーワードから連想させる単語を検索する連想検索エンジン『Reflexa』と2008年には関連記事推薦エンジン『Hotate』やユーザーが欲しがっている商品や情報を探し出すレコメンドエンジン『大鷹』を発表しました。

深層学習への舵切をした株式会社Preferred Networks

創業当初は検索エンジンやレコメンドエンジンを開発していましたが、その基盤技術となった機械学習へと舵を切りました。TwitterなどSNSのリアルタイム分析やセンサーデータ解析などに用いられた『Jubatus(ユバタス)』をNTTと共同開発し20011年10月にリリースしました。2011年当時、深層学習を用いたチームが画像認識のコンペティションで圧倒的に差をつけて大勝するなど、深層学習のブームが起こっていました。アメリカに営業に行ったときにIoTの世界が伸びそうだという話を聞き、IoTとAIをくっつけるビジネスを考え始めます。AIという言葉も流行っていなかった時代だったので、営業に行っても全く理解されないことも多くあったようです。
『Jubatus(ユバタス)』が順調に推移していたこともあり、今後の方針をこのまま機械学習を中心に『Jubatus(ユバタス)』を育てていきたいか、2ヶ月で潰れるかもしれないが新しいチャレンジをしたいか意思の確認をしたところ意見が分かれたので、会社も2つに分けました。
西川徹(にしかわとおる)さんがIoTを中心にやっていこうと2014年3月に立ち上げたのが現在の株式会社Preferred Networks(PFN、プリファードネットワークス)です。

新しいことにチャレンジしようと思ってPFNを立ち上げたものの、最初に立ち上がった案件である監視カメラを使った小売業のマーケティングには今一つ興味がわかず、製造業で活かしたいと思いながらも何から初めていいかわからなくて苦悩する時期があったそうです。
2015年に『NTT R&D フォーラム 2015』にてファナック株式会社の稲葉善治さん(ファナック代表取締役会長)と引き合わせてもらい話す中で、機械をもっと賢くすれば機械同士が協調しあってより生産効率を安定的に進められるという思いが共有して翌日には山梨県にあるファナックの向上に向かっていました。工場でロボットがロボットを作っているところを見て、深層学習が一番うまく機能する分野はロボットと考えるようになり、ロボットの分野でファナックとの協業を開始します。

共同開発で圧倒的な成果を生み出してきた方の評価額

『Jubatus(ユバタス)』を共同開発していたNTTやファナック、自動運転で共同研究に取り組んでいたトヨタといった事業でシナジーを生み出せる大企業からの出資も受けて資金調達をしながら、新しいものを生み出しています。2018年にユニコーン企業入りし、当時は株式会社メルカリと株式会社Preferred Networksの2社だけでした。
2021年6月には神戸大学と共同開発した超低消費電力の深層学習用プロセッサを搭載したスーパーコンピューター『MN-3』が、省電力性能ランキング「Green500」で世界1位を獲得し、2022年4月からは『Crypko(クリプコ)』というキャラクター生成プラットフォームなども発表しています。

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