村上太一さんの事業が拡張したポイントは、スキルではなく事業の目的を考え抜いた結果

引用:https://friday.kodansha.co.jp/article/16725

起業の道を選んだ目的に立ち返ったときに、アルバイト情報が載っている求人サイトである『マッハバイト(旧ジョブセンス)』のビジネスモデルを変えることを決意したと以前の記事で書きました。

前回の記事では、「最年少上場社長」という実績を持つ村上社長の価値観や考え方を調べました。
今回は、ビジネスモデルについていろいろ見ていきたいと思います。

『マッハバイト(旧ジョブセンス)』を立ち上げた背景

広くインターネットが普及している現在では考えにくいことですが、
村上社長がまだ高校生だったころは、インターネットでアルバイトへ応募することは普及していませんでした。

その当時は、駅でよく見かける『タウンワーク』というフリーペーパーを持って帰ってきて、
それを見てアルバイトを探して応募していました。

または、「アルバイト募集」というチラシを見つけて電話する、、、
といった感じでアルバイトを探しているような時代でした。

フリーペーパーやチラシでのアルバイト案件は結構ありますが、
インターネット上ではまだまだ求人が少ないという時代背景ですね。

そして、早稲田大学の「ベンチャー起業家養成基礎講座」が実施した「ベンチャーコンテスト」で、
村上社長は高校生のころに感じた不便さを解消するビジネスモデルを発表しました。

インターネットに求人が少なかった理由は、
今のようにインターネットが普及していなかったからという社会的な理由がひとつ。
そして、もうひとつは「求人サイトへの掲載」のタイミングで掲載費用が発生するというビジネスモデルだったからでした。

『ジョブセンス(現マッハバイト)』というサービスが他サービスと違う部分は、
掲載企業に掲載料が発生するタイミングでした。

ズバリ、村上社長は「成果報酬型」の仕組みを取り入れました。

「求人サイトへの掲載」のタイミングではなく、
「求人サイトから会社に応募があった」タイミングで掲載料が発生するビジネスモデルでした。

早稲田大学在学中の2006年に、このビジネスモデルで株式会社リブセンスを起業し、
アルバイト情報が載っている求人サイトである『ジョブセンス(現マッハバイト)』をリリースしました。

事業継続の決め手は「絶対に後悔したくない」という想い

学生時代に3人の仲間と資本金300万円で起業の道に進みました。

ちなみに、資本金300万円のうち、200万円は村上社長が出したそうです。
また、その200万のうちの150万は親から借金をして、なんとか資本金を工面したそうです。

実は村上社長が起業の道に進むことを決意した「ベンチャーコンテスト」も、
母親がトイレのコルクボードにその切り抜きを貼り付けていたことが出場のきっかけでした。

個人的には起業の道に進むと決めた息子を、ここまでバックアップできるご両親もすごいなと思います。

起業の道に進もうとしている息子の心配をして、
背中を押さずに、足を引っ張るような関わりをする親御さんは多いのではないでしょうか。

可能性をしっかりと見てあげる関わりがとても大事なんだと感じました。

しかし、そう簡単に軌道に乗ったわけではなく、
『ジョブセンス(現マッハバイト)』をリリースした当初は苦戦を強いられた時期が長く続いたそうです。

実際に、社員の給料が未払いだったという時期があったり、時給換算すると66円だった時期があったり、
創業1年目で自分自身の生産性の低さに悩むことも多かったんだとか。

さらに、1回生のときに起業していたので、周りからの誹謗中傷などもあったそうです。

自分自身の学生時代を思い返すと、サークル活動や部活をずっとやっており、
一般的にイメージできるキャンパスライフを送っていました。

さすがの村上社長も、上記のような苦戦を強いられたときに、「事業売却」が頭をよぎったそうです。

しかし、いまの一瞬の苦しさに負けて事業を手放してしまったら、
絶対に後悔すると自分自身に言い聞かせて「事業売却」は思い止まりました

事業を起こした目的に立ち返り、ビジネスモデルを刷新

苦戦続きだった『ジョブセンス(現マッハバイト)』が、あることをきっかけに売上を拡大させていきました。

冒頭でも書いていますが、ビジネスモデルチェンジです。

村上社長の事業を始めた目的に立ち返ったときに、
企業にとって価値のあることは「求人サイトから応募を獲得する」ことではなく、「求人サイトを通してアルバイトを採用する」ことだと定義づけたそうです。

なので、掲載企業から掲載料をいただくタイミングを「応募」ではなく「採用」に切り替えました。

アルバイトを採用したい企業にとっては、圧倒的に成果報酬型のビジネスモデルになりました。
しかし、株式会社リブセンス側は採用されたかどうかを知る術がありません。

『ジョブセンス(現マッハバイト)』を通して採用が決まった学生に、
採用が決まったという申請をしてとお願いをしても多分しないだろう。。。

この問題をどう解決したと思いますか?

採用が決まったという申請をすると「お祝い金」を送るという制度を導入したそうです。
そうすることで、学生はアルバイトが決まった上に、申請をするだけでお小遣いまでゲットできるので、
学生自ら申請をする仕組みを構築しました。

ここで、アルバイトを採用したい企業にとっても、アルバイトを探している学生にとっても、
『ジョブセンス(現マッハバイト)』を運営する株式会社リブセンスにとっても、WIN-WIN-WINの関係性が出来上がりました。

ビジネスモデルを一部修正してからは、売上が右肩上がり。
2007年には当初の約20倍の売上を叩き出す結果となりました。

そして、そのまま順調に事業を拡大し続けて、2011年12月に東証マザーズに株式公開。
「最年少上場社長」という実績を生むに至りました。

事業を軌道に乗せるには継続して考え続けることが大事

ここまで村上社長の背景と、具体的なビジネスモデルについて書きました。

前回の記事でも「サラブレッド」と表現したように、持って生まれたものはあると思います。
しかし、それだけでは無いということも同時に感じます。

常に目的から機能して必要な変化をしていくこと、
覚悟を持ってやり抜くこと、考え続けること、絶対に諦めないこと
などなど。

やっぱり圧倒的な実績を作っている人は価値観考え方の部分で似ているなと感じます。

これは働き方がどうあれ、とても大切なことだと思います。
村上社長からたくさんのことを学ばせていただきました。

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