RIZAPグループの社運が掛かった新規事業「chocozap」とは?

出典:データの蓄積があるからコミットできる、RIZAP瀬戸社長

「結果にコミットする」ために、短期間で劇的に身体を変化させるビジネスモデルから、継続型の新サービスであるRIZAPプライムが3月22日にリリースされるという内容の記事を以前に書きました。

人生100年時代を見据えてなのか、今までの2,3ヶ月のお付き合いから、RIZAPグループとして一人ひとりに生涯にわたって寄り添っていくサービスを展開させていくそうですが、RIZAPプライムの情報がそこまで多くなかった反面、『RIZAPグループ 中期経営計画(2023年3月期〜2026年3月期)』の中でも大々的に発表されている新規事業があったので、今回はその新規事業である「chocozap」についてアウトプットします。

新規事業「chocozap」の前にまずは現状把握

出典:1日5分で健康になれる!?RIZAPが本気でつくったコンビニジム「chocozap」 誕生〜テレビCM、10月17日より放映開始〜

前回の記事でも書きましたが、RIZAPグループは2022年3月期の営業利益が約52億円を達成し、前々期比で328%UPという圧倒的な実績を叩き出しました。そして、『RIZAPグループ 中期経営計画(2023年3月期〜2026年3月期)』では、2026年3月期で営業利益300億円まで引き上げていくと書かれています。

この中期目標を達成するにはここから約600%UPが必要ですね。

無謀とも思えるこの事業計画の中核を担っているのが今回取り上げた新規事業「chocozap」です。
この事業に経営資源を集中すると書かれていたので、RIZAP社の今後を担う一大事業ということですね。

「chocozap」というサービスについて調べる前に、現状把握をします。

そもそもRIZAPは『健康を基盤に あらゆる自己実現が可能な社会の実現へ』という企業理念に基づいて、さまざまな事業を展開しています。というか、顧客が望む人生をサポートするためのすべてのサービスが事業内容になりますね。

上述しましたが、人生100年時代が到来して、100歳まで生きる人は増加していくと予想されています。当然、高齢者が増えると、病院に罹る頻度は増えていくので、医療費も連動して増えていきます。

そして、「平均寿命」と「健康寿命」という考え方があります。

「健康寿命」とは、WHOが提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など要介護状態の期間を差し引いた期間のことを指します。簡単にいうと、健康に生活ができる期間という感じでしょうか。

実は、男女の平均値を取ると「健康寿命」は「平均寿命」よりも約10年間も短いと言われています。10年間寝たきりだったり、普通の生活を送るのに支障をきたすというのは、めちゃくちゃもったいないですね。

さまざまな要因があると思いますが、その要因の一つが「フィットネス人口」の少なさ。日本のフィットネス人口は、欧米のそれと比べても劇的に少ないです。最もフィットネス人口が多いと言われているアメリカでは全人口の約21.2%と比べて、日本はたったの3.3%です。

日本は病院に罹っても3割負担で良いのに対して、アメリカは10割負担です。

国民皆保険という日本のありがたい制度に対して、アメリカはそういった制度がないので、どうしても普段の生活スタイルから予防医学的な考え方で、普段から健康を意識しているということですね。それと比べて日本では体調が少し悪くなったら病院に罹れば3割の費用で診てもらえるので欧米と比べて予防医学的な観点が弱いのでしょう。

このような現状にメスを入れる事業が「chocozap」というわけですね。

月額2,980円!圧倒的低額なコンビニジム「chocozap」とは?

出典:チョコザップ(chocoZAP)は月額2,980円でRIZAP監修のフィットネスジム・入会特典がヤバすぎる!

24時間365日通い放題で通常のRIZAPの1/100の価格の「chocozap」とは、RIZAPが開発した1日5分のちょいとれ健康習慣プログラムのことです。

chocoZAP(チョコザップ)
RIZAP監修|月額2980円(税込3278円)で通い放題!初心者向けのコンビニジム

「お手軽に健康的なことをしよう!」的な内容だと思うので、筋トレ中級〜上級者以外がターゲット層だと考えると、実に国民の96.7%がメインターゲットということになります。

どうしても継続できないジム通いを抜本的に改善する「簡単・便利・安い」がウリのサービスです。従来のジムは、ジムにいくまでの準備が億劫になったり、どうやって使ったらいいのか分からないトレーニングマシンのオンパレードだったり、それでいて10,000円前後の月額会費でどうしても継続が難しいことが数字からも分かります。

ジム会員の80%が幽霊会員!? 日本とアメリカの健康に対する意識、フィットネス事情の比較 前編 - スポーツナビ
 2017年に某大手フィットネスジムの会員の稼働情報を目にしたことがあるのですが、会員の来店率は年間で約20%程度らしく…

「chocozap」はコンビニジムということで、圧倒的な店舗数で差別化を図っていくはずです。狭いエリアに他店舗出店をすること(ドミナント戦略)で認知度を向上させて、出店コストを下げます。そして、2023年3月末までに300店舗まで店舗数を伸ばす計画で進んでいるそうです。(2026年3月末で2,000店舗予定)

実際に、2022年9月時点では店舗数が約140店舗で、会員数は60,000人に達しているそうです。RIZAPの本気が伺えますね。トレーニングも5分/回 ととてもお手軽なので、スキマ時間で手ぶらで通えることで継続して利用しやすい設計になっているということでしょうか。

専用のアプリケーションをDLして、個人の健康情報をチェックできたり、オプションで3,000円課金することで医学的見地からのアドバイスも受けれるなどサービス内容も充実しています。

確かにいままでの課題を網羅できる設計になっていますが、果たしてRIZAPの計画通り順調に推移していくのでしょうか。4年間で500億円という圧倒的な先行投資を行っているからこそ、これからの展開に非常に注目ですね。

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