「チームラボ」を手掛ける猪子寿之(いのこ としゆき)さんの組織の作り方

企業や団体名はよく耳にしますが、その創業者は?誰が社長なの?と尋ねると答えがすぐに出てこないことはありませんか?
今回はそれに当てはまる経営者を取り上げていきます。

その方は、猪子寿之(いのこ としゆき)さんです。

https://www.team-lab.com/about/ より

失礼ながら、私はまずなんて読むのだろうというところからでしたが、この方が代表を務めている会社、団体は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
それは「チームラボ」です。

とは言え、「チームラボ」を聞いたことがない方もいるかもしれませんので、まずは猪子さんが代表取締役をされているチームラボ株式会社とアート集団「チームラボ」から紹介して、経営者としての猪子さんを紐解いていきます。

猪子さんが東大卒業後に創業したのが「チームラボ」

「チームラボ」を一言で表すと、大ブレイク中のアート集団だと言えるでしょう。
実際にチームラボのホームページの最初に下記のように記載があります。

テクノロジーとクリエイティブの境界はすでに曖昧になりつつあり、今後のこの傾向はさらに加速していくでしょう。そんな情報社会において、サイエンス・テクノロジー・デザイン・アートなどの境界を曖昧にしながら、『実験と革新』をテーマにものを創ることによって、もしくは、創るプロセスを通して、ものごとのソリューションを提供します。

About | チームラボ / teamLab (team-lab.com

この中でも、猪子さんを知るキーワードは「実験」「創るプロセスを通して」だと思いました。
この想いは創業当時から持っているようです。

猪子さんが2001年3月、東京大学工学部計数工学科を卒業し設立したのが、チームラボ株式会社です。
最初は大学時代の仲間との共同的創造による実験の場、チームによるラボラトリー、という意味で「チームラボ」と名付けたそうです。

つまり、実験的なものだったため、最初は会社で何かをつくるということは決まってなく、むしろ何かをつくることを通じて人間にとって、世界とは何か、その真理を追及することに関わることができたら、という想いで立ち上げたとのことです。

組織作りで大事にしている考え方

さて、そろそろ本題の猪子さんという経営者について書いていきます。

私がこの方を調べていて興味を持ったのは、組織作りについての考え方です。
「チーム」という言葉を会社名につけているのも、猪子さんの組織作りについての考え方を知ることで理解できるような気がしました。

チームラボの組織のかたち

先ほどは「チームラボ」をアート集団と記載しましたが、他にも、こう捉えることもできるようです。

エンジニア、数学者、建築家、CGアニメーター、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、絵師、数学者、編集者など、スペシャリストを集める「ウルトラテクノロジスト集団」だ。

https://leaders-file.com/interview/1064/

チームラボでは、プロジェクトごとにチームを組み、テクノロジーとクリエイティブのプロフェッショナル同士がコラボレートすることで、ジャンルの境界を超えて新しい価値を生み出し続けています。
そのプロジェクトは主に企業側から話を持ちかけられることも多いそうで、猪子さん自身も、プロジェクトチームの一員として参加するされているとのこと。

チームの一員として参加する経営者。
この経営者としては珍しくも思えるこの在り方は、猪子さんの「創るプロセスを通して、ものごとのソリューションを提供します」という想いがあるからだと感じます。

チームの一員として参加する意味

猪子さんはチームラボの代表取締役、つまり会社のトップではありますが、実は経営や組織運営のプロではないようです。

実は経営とか組織運営とかよくわかっていない。ただ、チームの一員として、いいものを考えたり作ったりしていくうえで、よりクリエイティビティを発揮できる環境、作ったり考えたりするのによりよい環境を求めていて、それをチームを使う一ユーザーとして求め、作ろうとしている。

https://leaders-file.com/interview/1064/

このように自ら組織の内側に入ってプロジェクトを進めることで、ひとりひとりの「いいものを作りたい」というシンプルな感情を最大限発揮するための環境を提供していく。
これが猪子さん流の、組織作りで大事にしている考え方ではないでしょうか。

また、その考え方をもとに、1人当たりのコストを月あたり○○円と決めているそうです。
そうすることによって、ひとりひとりが、それ以下のパフォーマンスにならないようにしようと思い、自然といいもの作りを頑張りたくなる環境ができる。

チームの一員となり、チームの生産性を上げるために必要な環境を整えることが、猪子さんの経営者としての仕事のような気がします。

「チームラボ」まさに実験の場

猪子さんはチームラボを「ヤバい」ものを作り出す集団であり続けていきたいと思っているようです。

ヤバいモノを作っているところは儲かっているんですよ。アップルにしても、グーグルにしても。

https://leaders-file.com/interview/1064/

猪子さんは、人が感動するような「ヤバい」ものを生み出し続けていくために、どういうチームだと生産性が上がるのか、楽しくクリエイティブできるのか、ということをこのラボラトリー、つまり「実験の場」を通して、常に研究している経営者であると言えるでしょう。

今では日本国内だけでなく、海外でも高い評判を得ている、チームラボ。
チームラボが世の中に発信した作品から、私たちにどんな感動体験を生み出し与えてくれるのか、これからのチームラボの、そして猪子さんの研究にも注目していきたいです。

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