【ピクスタ・古俣大介氏】デジタル素材提供サービスの創業者の経歴と価値観

出典:ピクスタ株式会社ホームページ

PIXTA(ピクスタ)という写真やイラスト、動画、音楽をといったデジタルの素材を投稿、販売可能なプラットフォームについて、ご存知でしょうか。本ブログの読者の方であれば、知っているだけではなく、利用したことがあるという方も多いかと思います。

今回、紹介するのは、そのPIXTAの創業者であり、現在も社長である古俣大介(こまただいすけ)氏です。大学を卒業後、会社員と経営者の両方の経験を経て、2005年に現在のピクスタ株式会社の前身となる会社を起業しています。

今回は、そんな古俣大介氏の経歴や価値観について紹介します。

留年後のイスラエルで激変した古俣氏の価値観

古俣氏は、1976年、埼玉県に生まれました。
両親がどちらも経営者で、それぞれ別の会社を経営しているという家庭に生まれ、幼い頃は学校が終わると仕事の手伝いをすることも多かったといいます。
両親が経営者という「経営者のサラブレット」のような家庭で育った古俣氏。
しかし、高校時代まではさして経営者になりたいと思っていたわけではなく、むしろ不真面目な生活をしていたといいます。

大学は父親のススメもあり、多摩大学に進学。
経営や会計、システムを学べる学校ではありましたが、1年目に留年。
この時ばかりは、「流石にこのままではよくない」と思ったといいます。

そんな古俣氏にあるきっかけが訪れます。
留年後の2回目の大学1年生の時に、イスラエルに移住していた叔母の誘いもあり、イスラエルに1ヶ月旅行で滞在することがありました。
そしてこのことが同氏の価値観に大きな影響を与えます。

日本と全く文化が異なるイスラエル。
「隣国から自国の国境を守らなければならないこと」「同世代の若者が、軍に入隊したり、国家を考え、暮らしていること」「長く強い宗教文化があること」などを知り、これまでの自分の世界の狭さに気づいたといいます。
海外ではさまざまな環境下であっても人々が可能性を追求して活動していることを知り、自分とのギャップに衝撃を受けたといいます。

また、渡航中に読んだ孫正義の本も、古俣氏に大きな影響を与えたといいます。10代の頃から活動していた孫氏の経歴を知り、「自分ももっと大きな世界で挑戦してみたい」と思うようになった古俣氏。

帰国後は、それまでとうって変わって真面目に大学にも通うようになります。
経営者になると決めると同時に「世の中のことを全く知らない」と自覚のあった同氏は、経営の本を読んだり、大学でも気に入った教授には勉強会を開催してもらうなど、どんどんと知識を蓄えて行きました。

そして、3年生の時に「インターネットを通じて新しい価値を作る事業」という軸から、コーヒー豆屋を経営する親戚にお願いして、コーヒー豆を仕入れて通販するサイトの運営を始めることになります。
特段広告費などもかけず、数ヶ月で月に30万円程度売り上がるようになったことで、卒業後も経営者として仕事をしていくことを考えていました。

ガイアックス社の上田社長に学んだ価値観「ゴールを描いてからやる」

出典:ガイアックス株式会社

そんな古俣氏ですが、2000年に大学卒業後は1度会社員として就職しています。そのきっかけは、就職した株式会社ガイアックスの上田 祐司上田社長に出会ったことでした。父親の知人のつながりでたまたま上田社長を紹介してもらうことがあり、そこで話した年齢もそう違わない上田社長と自分との価値観のギャップに驚いたといいます。

「やれることから徐々にやって事業を大きくしていこう」というようなスタンスで地道なECサイト運営していた古俣氏。一方、「最終的にこういう会社にしたい」というゴールを描いて、必要な物を調達していく上田氏の考え方を感じ、自分の考え方の限界に気づいたといいます。
そこで、古俣氏は1ヶ月間のインターンを申し出たのでした。

結果的に2週間後には入社することになり、約10ヶ月間、ガイアックスで働き経験を積むことになります。古俣氏曰く、当時のことを「精神と時の部屋」と呼ぶほど仕事に集中した時期で、当時学んだ「ゴールから逆算して考えて動く」という考えは今でも活きているといいます。

古俣氏はこの後、印刷デザインの事業をスタートさせます。
その事業はなかなかうまくいかず、1年ちょっとで畳んでしまうことになり、なかなか余裕のない中で、次に父親のススメで美容健康グッズのEC販売の事業を手がけます。
こちらは大きく成長し、途中でお兄さんにも会社に入ってもらうほどに。約2年で年商1億まで事業を成長させます。

さらに、美容健康グッズの事業がある程度大きくなってからは、「自分はやっぱりクリエイティブなコンテンツ分野の事業を経営したい」と思い立ち、既存の事業は兄に託して、2005年8月、株式会社オンボード設立(現在のピクスタ株式会社)を立ち上げます。

どんな周囲の人の影響を受けるのか!?

古俣氏のここまでの経歴見ると、イスラエルでの経験と、ガイアックスでの経験の2つがとても大きなターニングポイントになっているように思えます。そして、どちらにも共通しているのは、何かスキルを得た、というよりも「人の価値観に影響を受けた」という点です。

また、イスラエルのケースでは親戚をきっかけに渡航していますし、ガイアックスのケースでは、父親の知人がきっかけで上田社長との出会いに繋がっているため、「周りにいた人の影響やアドバイスを受けた結果、いい方向に物事が進んだ」ようにも見えます。誰よりも父親の影響を何度も受けている人生にも見えます 笑

ただ、古俣氏のすごいところは、そうした人の影響からの縁を活かしていることです。
「運がよかった」「両親が経営者だからうまく行ったんじゃないか」という意見も聞こえてきそうですが、アドバイスや価値観の変化を受け入れて実際の行動にしたのは古俣氏の実力であることは間違いありません。

仮に、同じ状況にあったとしても行動をせず、インターネットが好きだからといってネットサーフィンばかりしていては同じ結果にはならなかったでしょう。
1回目の大学1年までは不真面目でも、そこから受けるべき影響を受け、行動を変えたところに同氏の事業の成長の原因があるように思います。



今回は、ピクスタ株式会社の創業者である古俣大介氏の経歴について紹介しました。
ピクスタ創業後の古俣氏の取り組みや活躍についてはまた改めて紹介できればと思います。

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