まだまだ人数が少ないと言われる日本における女性の経営者・起業家。
本ブログでもさまざまな経営者の価値観を紹介してきましたが、女性を取り上げたケースは多くはありません。
そうしたなか、今回紹介するのは、元アイドルで経営者として活躍する島田晴香(しまだはるか)氏です。
2017年に卒業するまでの約8年間、AKB48のメンバーとして活躍した彼女ですが、現在は、株式会社Dctの代表取締役として、経営のフィールドを中心に活躍しています。
今回は、アイドルのセカンドキャリアを支援する事業や熱海にある実家の旅館の盛り上げに取り組む、島田氏の経歴や価値観について紹介します。
なぜ元AKBアイドルは起業したのか?
島田氏の起業の最初のきっかけは、引退前にありました。
卒業の約2年ほど前、「将来どうするか?」を考えている中で、芸能活動の中で触れたスポーツの分野に強く惹かれ、漠然とした思いながら、将来、スポーツマネジメントに携わってみたいと考えるようになったといいます。その頃から「次の目標は芸能界ではない」と漠然と思うようになり、悩みつつも、2年後には芸能界を引退し次の目標に向かうことになります。
その次のきっかけは、卒業後のロンドン留学でした。
さまざまな国や地域、キャリアの人と知り合う中で、「さまざまな生き方があっていい」と気づいたこと、そして、現地では、アスリートやモデルなどの専門的な職業の方のセカンドキャリアが話題になることが日本よりも多かったことで、自分も含めたアイドルのセカンドキャリアについて、興味を持ったといいます。
そんな中で、「帰国したら、アイドルのセカンドキャリアを支援するような仕事をしたい」と思うようになり、帰国後、まず一般企業に就職して経験を積むことからスタートすることになります。
自分が経験したからこそできる「アイドルのセカンドキャリア支援」
帰国後、広告代理店に就職した島田氏ですが、電話対応や名刺交換の仕方もわからない、パソコンスキルもないというところからのスタートで、最初は悪戦苦闘します。
「辞めたい」と思うようなこともあったといいますが、「将来、自分の後輩たちも同じことを経験するんだろう」と思うと、頑張れたという島田氏。徐々にスキルを磨いていき、2年後には株式会社Dct を立ち上げ、本格的に支援活動をスタートします。
また、会社員時代に気づいたこととして、「アイドルの経験が活きることも多い」とも感じていたといいます。
アイドルとして一般の会社員よりもたくさんのファンと触れてきた経験は、コミュニケーション能力やブランディング能力に通じ、一般の会社でも営業や広報のスキルに応用できると気づいて、アイドルとしての経験また時には「元アイドル」という肩書きもうまく使いこなすことも大事と、島田氏は考えています。
さらに、そもそもファーストキャリアの時点からアイドル活動を諦めている人もいるという現実に対して、例えば、アイドルと資格獲得を両立する仕組みを整える、という取り組みも行っています。
アイドルや会社員としての経験を元に、自分の事業の幅を広げているところが、島田氏の事業の特徴であり、強みだといえます。
大好きな地元のための「復興支援クラウドファンディング」
島田晴香氏は、現在、実家の旅館業でも「若女将」として仕事をしています。
きっかけは、コロナ禍の影響で旅館業が業界として厳しいなってしまったことでした。キャリア支援の事業の傍ら、熱海の実家にも時々出向いて「若女将」としての仕事に取り組んでいます。
また、2021年に土石流による被害が発生した時には、復興支援のためのクラウドファンディングも立ち上げるなど、地元のために駆け回っていた、島田氏。
「お世話になってきた大好きな熱海の街のために、実家の旅館のために、何でもする」という姿勢からは、恩返しの気持ちが溢れています。
マイナスの言葉で自分を縛るな!
今回は、元AKB48の経営者、島田晴香氏の経歴や価値観について紹介してきました。
アイドルのセカンドキャリア支援や地元の復興などさまざまなことにチャレンジしている島田氏ですが、大事にしている価値観のひとつに「マイナスの言葉で自分を縛るな」というものがあるそうです。
島田氏自身、「〜〜だからできない」と思ってしまう時でも、自分を責めずに「今、辛いことがあっても、長い人生の中でそれを後から振り返って『大したことない』と思える」と信じて、ポジティブに考え、乗り越えるようにしてきたといいます。
「自分の人生は自分にしか決められない」からこそ、どう考えるか、何を考えるか、ポジティブに考えるかを大事にしてきた島田氏。
今後のさらなる活躍が楽しみです。