森岡毅さんがつくったマーケティング精鋭集団刀という新しい挑戦

森岡毅さんについてP&G時代、USJ時代と書いてきました。

今回は、森岡毅さん自身が起業し代表取締役CEOを務めるマーケティング集団刀について書いていきます。

刀の創業
山をフルに活用して再生したネスタリゾート神戸
丸亀製麺のブランディング
地方創生プロジェクトなどさまざまな取組

刀の創業

2017年1月にユー・エス・ジェイを退社後、2017年10月にマーケティング精鋭集団「刀」を設立しました。

日本にとってマーケティングという非常に重要な技術が、私はまだまだ遅れていると思っていまして、これを日本人の武器にしていただきたいと思いまして、古くからある日本人の武器は”刀”なので、刀をみなさん備えてください。
刀の中に入ってくる人がですね。一人一人が個性豊かで、一人一人が様々な能力を持っていて、切れ味鋭いですねすごい能力を持った仲間たちが1人2人、1振2振集まってきて、今30名を超える名刀が集まってきている。
ザ・リーダー刀森岡毅社長 2020年3月8日（日）放送

というのが刀の名前の由来だそうです。

森岡毅さんはUSJの立て直しを受けて、多くの企業から右腕として雇いたいとか後継者になってほしいというオファーを受けたそうです。数億円の案件もあったようですが、組織の中で働くことよりも自分の頭の中にあるもので、ゼロから勝負して1を生み出したくなったことから刀を創業しました。

ケーキハウスツマガリのシュークリーム『かぶとやま』が好物で、USJ時代には一時108kgまで増えたそうです。起業にあたって健康リスクを避けるために、体重を4ヶ月で40kg削るダイエットもして準備。

最初の半年は、給料も払えず、自分の力でなんとかできる精鋭12人で創業したそうです。創業メンバーにはその代わり半分以上の株を分けました。ゲストルームを1回2500円でレンタルしてミーティングをしたり、オフィスも喫茶店といった状態からのスタートだったそうです。

山をフルに活用して再生したネスタリゾート神戸

ネスタリゾート神戸の前身となるグリーンピアはバブル時代に厚生年金保険や国民年金の受給者の保養施設として誕生します。
13施設がオープンするも赤字経営のため、厚生労働省から各自治体に所有権が移りました。
兵庫県にあるグリーンピア三木も2005年12月に13施設の中では最後に兵庫県に所有権が移り、2015年に営業終了。延田エンタープライズが11億円で跡地を買い取り2016年にネスタリゾート神戸としてオープンします。

しかし、ネスタリゾート神戸となった後も苦戦が続き、2018年の春に刀に再生を依頼します。
苦戦続きのため予算も少なく、周りを見渡しても山しかないという状況でした。
森岡毅さんは山の魅力を知るために、数日キャンプをして食料も現地調達、夜間の狩猟学校に1年通って狩猟免許をとるなど山で消費者が何を望むかをしっかり見定めました。

そんな経験の中から、畑で自分で収穫し、生きた魚を捕まえる『ワイルド・ハーベスト』が生まれ、あえて整地しないことによって、起伏を楽しめる『ワイルド・バギー』や『ワイルド・カヌー』といったバギーとカヌーを購入するだけという低予算で楽しめるものを大自然を満喫できるアクティビティを準備しました。
相談を受けた森岡毅さんが刀のマーケティングのノウハウを駆使して、新しい集客の目玉を準備し、2018年夏から「大自然の冒険テーマパーク」としてリニューアルオープン。

結果、1年で集客人数・売上ともに200%を超えるV字回復をしました。2020年にはコロナで休業要請があったにもかかわらず、営業利益を黒字化させています。

丸亀製麺のブランディング

丸亀製麺は2000年に11月に1号店を開店し、2009年にははなまるうどんを抜いて店舗数1位になったうどんのチェーン店です。うどんと言えばこの2店を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
丸亀製麵は讃岐うどんを提供していますが、実は香川県丸亀市の発祥の企業ではなく、兵庫県加古川市発祥で1号店も加古川市にあります。
2011年に沖縄県に出店し、うどん店としては初めて47都道府県すべてに出店をしました。

しかし、2017年後半から客足が伸び悩み始めたことを受けて、2018年秋から、ブランディングの面で刀が力を貸す形で協業をします。
もともと丸亀製麺を運営していた株式会社トリドールホールディングスの社長である粟田貴也（あわたたかや）さんが、「出来立ての感動を届けたい」という哲学のもと、丸亀製麺は全店舗、店内で国産小麦、水、塩のみを使って、粉から製麺しているお店でした。

この既にあるが、消費者に知られていなかった強みをテレビCMにすることで半年でV字回復させています。