ひと昔前は主にプライベートでのコミュニケーションに使われていた「チャット」。最近では、電子メールよりもLINE、さらにはSNSのDM機能をチャットのように使うことも日常的になってきました。
さらに最近では、ビジネス向けのチャットツールも多く登場しています。ChatworkやSlackといったツールの名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
ただ、こうしたツールが広まった背景や提供元企業の創業者についてはツールの名前ほどは知られていません。
今回は、ビジネスにおけるコミュニケーションを変えたとも言えるチャットツール、「Chatwork」の創業者である山本敏行氏、現CEOの山本正喜氏について紹介します。
事業を立ち上げた山本敏行氏
そもそもChatworkは、もともとはEC Studioという社名で、2000年の創業当時は、検索エンジン事業、そしてWebサイト運営のコンサルティングを行うの会社として、兄の山本敏行を中心に創業しています。
そして、業務上の社内のコミュニケーションをしていく中で、「チャット」の有用性に気づき、最終的には「自社でチャットツールを作ろう」という発想からChatworkの立ち上げに至ります。
山本敏行氏によれば「それまではSkypeのチャット機能を活用していた」ということですが、GoogleWorkspaceやSlackといったサービスが一般的になる前からチャットの有用性に気づいていたことからは、山本敏行氏の先見性を感じます。
また、「Make Happiness」という経営理念を掲げ、創業期から社員を大事にする、という文化を築いてきたのも山本敏行氏でした。
山本敏行氏は、2018年に代表を退任、現在はエンジェル投資家として活躍しながら、SNSやYouTubeでの情報発信もされています。
エンジニア出身の山本正喜氏の活躍
2018年に、兄である山本敏行氏から代表を引き継いだのが、弟の山本正喜氏。
山本正喜氏は、大学在学中に、兄がきっかけで創業メンバーに加わります。
当時、プログラミングを学んでいてITに長けていたこともあり、EC Studio時代から製品の技術的な部分を担ってきました。現在でも、CEO兼CTOという肩書きで活躍しています。
また、2019年には東証マザーズに上場するなど、兄からのバトンを受けて、Chatworkという企業をステージアップさせてきたのも山本正喜氏です。
技術者として製品開発に関わり続け、今ではプロダクトカンパニーとしてのChatworkを技術面でも経営の面でも引っ張るのが山本正喜氏です。
兄弟のチームワークがChatworkを大きくした
急速な成長を遂げていったChatwork。
その背景には、山本敏行氏と山本正喜氏のお互いの長所を活かした事業運営があったといえます。
同族経営や家族経営の難しさを感じる話題も多い中、Chatworkの成功は兄弟が協力して事業を大きくしてきた好事例の一つと言えます。
Chatworkの成功の背景については、次回以降改めて紹介します。