以前、日曜の初耳学にでていた森岡毅さんについて記事にしました。
今回は、日曜の初耳学にも出戦していて、最近注目を集めている成田悠輔(なりた ゆうすけ/Yusuke Narita)さんについて記事にしていこうと思います。
成田悠輔さんがイェール大学の助教授になるまで
成田悠輔さんは1986年に生まれます。子供時代は母親が生活を支えていて、家計が苦しい中で育ったそうです。そんな中でも、母親の方針もあり中学受験を行い、麻布中学校・麻布高等学校へ入学をします。小中高の間は、落ち着いて座っていられず、朝同じ時間に起きることができないなど、学校教育をまともに受けていなかったそうです。
2005年に東京大学に入学し、2009年に東京大学経済学部を卒業しています。卒業論文は、最も優秀な論文の中から数年に一度授与される『大内兵衛賞(おおうち ひょうえしょう)』を受賞しています。
2011年には東京大学大学院経済学研究科で修士号を取得後アメリカに移り、2016年にはマサチューセッツ工科大学(MIT)にて博士号を取得しています。
2017年に30歳でイェール大学経済学部の助教授に就任します。
毎年発表されている、世界大学ランキングでも名前を聞く大学を渡り歩いていることが天才と言われる一つの理由かもしれませんね。
成田悠輔さんがイェール大学で行っている研究
成田祐輔さんは、世の中の政策やビジネスがちゃんと効果を発揮しているのかを分析・測定する研究を医療や教育の分野をメインに行っています。
研究も2種類に分けることができ、色んなものに応用ができるような分析手法を作り出す研究と、実際に出来上がった分析手法を用いて効果を発揮しているかを確認する研究です。
実際に出来上がった分析手法を用いて、効果を確認する研究の方であれば、
『いい大学に入ることで幸せになれるのか?』
という研究も多くされているようです。
研究結果によると、高校よりも大学に行くといったように、よりたくさん教育を受けて学歴を積み重ねると将来の収入にはプラスの影響になることが多い。
有名な大学と普通の大学に行くことで、収入が上がるのかというとアメリカの場合はそんなに関係ない。
しかし、効果が分かることで、実際に政策を変えられうかというと、時間がかかることが多くあったようです。
そういった中で、企業とも仕事するようになります。
会社のビジネス、サービス、後ろで動いているソフトウェアなど変えやすい部分から着手しはじめます。
成田祐輔さん立ち上げた半熟仮想株式会社
成田祐輔さんが、大企業と共同研究して、その結果を事業に使ってみることを仕事にしている会社が半熟仮想株式会社です。
社名の由来は、政策が変わることでビジネス環境が変わるといったことが起きたときに、今の現実とは異なる明日以降の世界に何が起こるかを予想する反実仮想(counterfactual)について取り組む会社であること。
SQUARE ENIX株式会社(当時はスクウェア)から出ている『半熟英雄(はんじゅくヒーロー)』というゲームが好きだったことがもとになっています。反実仮想と半熟英雄をかけて、明日以降を予測したいが、明日以降の世界は半熟の状態なので何が起こるか分からないきわどい状況にあるという言葉遊びで決まったそうです。
コロナが始まった時期に、日本にいてアメリカに戻れなかったということも現在様々な大企業と一緒に仕事を始めた理由の一つにあるそうです。
ソニーグループ株式会社とは、オンラインショッピングストアにおけるユーザーの属性や購買行動を基に誰にどのようなクーポンを配布すると効果的か考えるアルゴリズムの構築を行っています。
また、株式会社ZOZOテクノロジーズとはZOZOTOWNにも導入されているトップページにどういう服とかファッションアイテムが推薦されたり、陳列されたりするか決めるソフトウェアを開発し、内閣総理大臣賞を受賞しています。
成田祐輔さんが考える教育現場のコミュニティとしての価値
成田祐輔さんが教育についての分析を専門に行う中で、学校での教育が必要なくなりつつあるのではないか、ということに課題を感じているようです。
日本で不登校が増えている問題について、貧困で学校に行くことが困難なことも増えていますが、それと同じくらいネットの普及に伴って、学校に行く必要が見いだせなくなっている子供も増えていると考えているようです。
昔から勉強できる子は学校で勉強せずに、自習をしたり、塾で勉強をして学校では体力削られないようにする学生がいたように、VRアートや3DCGに興味があって、詳しい人がいるオンラインサロンに出入りして自分で学び、家でずっと作っているという子も増えているようです。
そういった課題を解決するためにも、何を学ぶのか、どう学ぶのかを一人一人にカスタマイズする形にどう移行していくかが大事と話しています。
アメリカの大学は授業や教育が果たしている割合が少ない、イェール大学ではいろんな人がいてキャンパス上の寮に住むようになっています。頭のいい人、運動のできる人もいれば、親の影響でいるような人もいるみたいな環境にいろんな人が混ざり合っているひとつの生活の場所を共にするような巨大なコミュニティになっています。
しかも、数年すると全員入れ替わっているという異様に新陳代謝が高いコミュニティに価値があるのではと感じているようです。
成田祐輔さんは思い込みや常識にとらわれない自由な発想をするために、違う業界の人、違う世代の人とかかわってみる経験など、自分がアウェイに飛び込んでいく経験を子供のころからどう体験できるようにしていくかも大事になるのではないかと話しています。
そういった意味でも、生活を共にする、いろんな人と長い時間を過ごして衝突をするっていうことを作り出している企業とか他のコミュニティでは置き換えられないようなひとつのコミュニティ空間として、コミュニティビジネスに学校観を変えていくという考え方も自然に感じます。