草開千仁さん率いる株式会社ウェザーニューズについて

引用:三井物産がウェザーニューズと共に荷主と船社をマッチングする海運プラットホーム事業で合弁会社を設立

前回の記事に引き続き、『草開千仁(くさびらきちひと)』さんが代表取締役を務める
株式会社ウェザーニューズの記事になります。

下記の記事では、草開さんの生い立ちや株式会社ウェザーニューズへの入社のきっかけについて書きました。

今回の記事では、株式会社ウェザーニューズのビジネスモデルから、習慣や考え方などを学んでいきます。

株式会社ウェザーニューズとは、天気予報をベースとした問題解決企業!

そもそも株式会社ウェザーニューズとはどのような事業内容なのでしょうか。

ウェザーニューズと聞くと、
お手軽に天気予報を知れる「WN」のロゴが有名なアプリケーションを思い浮かべる人は多いと思います。

しかし株式会社ウェザーニューズは、世界No.1の民間気象会社と草開さんは仰っています。
そもそも、天気予報は3回/日 気象庁が行っています。

アプリケーションを通して、エンドユーザーに天気予報を提供するだけで世界No.1になれるのでしょうか。
もちろん「NO」です。

ウェザーニューズは、気象庁が出す天気予報を補うような事業を展開しています。
そして、ウェザーニューズの事業内容が分かり易く表現されているコンセプトが下記になります。

ウェザーニューズは単なる“天気予報”は提供しません。
「いざというとき人の役に立ちたい」
「船乗りの命を守りたい」
その想いから、私たちが提供するのはお客様一人一人に本当に役に立つ“対応策情報”です。

なるほど、つまり天気予報をベースとした問題解決を一人一人に提供しているからこそ、
ビジネスとして成り立っているということですね。

気象庁以上の設備投資

天気予報をベースに一人一人に細やかな問題解決をするので、
最新のテクノロジーを駆使した観測装置を全国にたくさん設置しています。

独自の観測器をアメダスの10倍以上設置していたり、自社で気象観測衛星も打ち上げて、
最新の気象情報を取得しています。

アメダス(AMeDAS)とは「Automated Meteorological Data Acquisition System」の略で、「地域気象観測システム」といいます。 雨、風、雪などの気象状況を時間的、地域的に細かく監視するために、降水量、風向・風速、気温、湿度の観測を自動的におこない、気象災害の防止・軽減に重要な役割を果たしています。

引用:国土交通省 気象庁 | 地域気象観測システム(アメダス)

気象庁のホームページ情報によると、アメダスは17kmおきに全国に約1,300箇所に設置されているそうです。

ウェザーニューズ社独自の「地域気象観測システム」が気象庁のアメダスの10倍以上あるということは、
より局地的な気象情報の観測が可能となりますね。

なんと気象庁よりも細かい区分で気象情報を出せるので、
一部の地域に対しても非難の呼びかけが可能となったそうです。

常にイノベーションを起こし続けているウェザーニューズの雨の予報は、なんと的中率が90%以上です。
ウェザーニューズは、日本だけではなく世界を見据えています。

77億人が背負っている天気のリスクを、サポーターなどの情報提供も受けながら、
一人一人に本当に役立つ天気予報を通して回避しているということですね。

事業内容は「B to B」と「B to S」の二軸で展開

ウェザーニューズが天気予報を通して問題解決をしていけるくらい全国の気象情報を網羅しているということは前章で書きました。

では、実際にその天気予報を通してどのような事業を行っているのでしょうか。
「B toB」と「B to S」の二軸で展開されておりますので、それぞれ見ていきたいと思います。

「B to B」の事業

ご存知だと思いますが、「B to B」とは、Business to Businessの略称ですね。

ウェザーニューズが企業に対して提供しているサービスを見ていきましょう。
ウェザーニューズのHPにはこのように書かれています。

各市場の気象リスクを理解している「リスクアナリスト」がお客様の業務やリスクを分析し、気象データに精通する「データエンジニア」が開発するAIエンジンを活用して、対応策コンテンツを提案・開発します。

引用:株式会社ウェザーニューズHP | サービスの流れ

実に44市場に対してサービスを提供しています。

市場によって業務内容やリスクが異なるので、
各市場に合わせてデータエンジニアが質の高い気象リスクに対する対応策を提供しているということですね。

例えば「流通気象」というサービスがあります。

きっかけは後楽園球場(現・東京ドーム)のお弁当屋さんからの一本の電話だったそうです。
現在のようなドーム型ではなかったので、雨が降ると試合は中止になりますよね。

そうなると、大量に準備したお弁当が廃棄処分になってしまいます。

そこで、「正確な気象情報を活用して、食品廃棄ロスを軽減できないか」という問い合わせから、
「流通気象」というサービスが出来上がりました。

今では、約57,000店以上の小売業者が、ウェザーニューズの「流通気象」を活用するまでになっています。

気温がガクッと下がるタイミングが分かれば、
「おでんを普段以上に仕込もう」といったようなダイレクトな提案も可能になりますね。

天気予報を通して、企業の売上拡大や経費削減のお手伝いをしていると言うわけです。
そして、このような細やかなサービスを44市場に対して展開していると言うことですね。

「B to S」の事業

さて、聞き慣れない単語が出てきました。

ウェザーニューズ社独自の考え方だそうですが、これはBusiness to Supporterの略称です。
まあ、いわゆる「B to C」向けのサービスと考えて大丈夫だと思います。

エンドユーザーにも自分が居る地域の天気情報を教えてもらうことで、
より精度の高い天気情報をエンドユーザーに提供することに繋がります。

現在は緊急事態宣言で外出する人が激減しているので、ニーズは減っているかもしれませんが、
それでも自分が気になっている地域のリアルタイムの空の写真などが確認できるのは嬉しいですね。

アプリのダウンロード数は1,700万を超えております。

有料会員の詳しい内訳は不明ですが、サポーターが提供する最新の天気情報によりエンドユーザーの利便性を高めることで、そこからの広告収入等も上がっていきそうですね。

本当はこの記事で創業秘話も書こうと思ったのですが、
事業内容で思った以上に長文になってしまったので、次回に持ち越します。

気象庁とウェザーニューズの一番の違いは、「何を目的として気象情報を提供しているのか」です。

気象情報を通して、ユーザーの売上向上や経費削減などのメリットまで考えているからこそ、
ビジネスとして成り立っているということです。

予報の精度が大きく変わらないからこそ、目的がとても大事になりますね。

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