日本の外食産業でまだまだ活発なのが「ラーメン業界」です。
牛丼のようにコモディティ化による値下げが起きず、700円~1000円程度の価格帯を保っていたり、新しいラーメン店が次々に出店されたりします。
それに伴い、経営者が前面に出てラーメン業界を盛り上げているお店もあります。
今回は、そんなラーメン業界の有名経営者の一人である「なんでんかんでんフーズ」の川原ひろし氏についてフォーカスしようと思います。
(引用)メシ通「なんでんかんでん」の川原ひろし社長と一杯やってわかったこと
テレビ番組『マネーの虎』に出演した当時
「ノーマネーでフィニッシュです」という吉田栄作さんのセリフでお馴染みのテレビ番組『マネーの虎』が放送されていたのは、15年前ほどになります。
様々な社長が出演して、出資希望者が持参したアイディアとやる気をその場でプレゼンして、出資金額を勝ち取れるかどうかというドラマが繰り広げられていました。
出資希望者の熱い想いが見れたり、、大きな金額が目の前で動く瞬間が見れたり中身の薄いプレゼンだと社長たちの容赦ない鉄槌が見れたりして、とてもお茶の間を沸かせました。
癖の強い社長たちの中でも特に目立っていたのが、なんでんかんでんフーズの川原社長です。
川原社長は、福岡県生まれで、もともとは音楽関係の仕事をやっていました。
そんななか東京での豚骨ラーメンでの商機を見出して、1986年に環七沿いに出店して、一大ブームを巻き起こしました。
その後『マネーの虎』に出演して、さらに店舗を拡大したのですが、2012年に閉店。
2018年に高円寺駅前に再オープンして、2020年末に渋谷に移転しています。
立ち上げ時期は警察も巻き込む社会問題に
マネーの虎出演前の立ち上げ時期に起こしたブームがどれほどのものだったのかを物語る「伝説」があります。
伝説1:なんでんかんでん渋滞
環七沿いの住宅地での営業だったのですが、毎夜1000人を超える大行列が作られたようです。
それに伴い、環七通りは違法駐車が続出してしまい、「なんでんかんでん渋滞」と呼ばれるほどになってしまいました。
伝説2:日本初の交番所付きラーメン店
違法駐車が多かったり、多くの人が集まっていることで、警察への通報が1日50回を越えるほどでした。
あまりの苦情の多さに環七の車線を書き換え、中央分離帯にフェンスを設置したのですが、それでも通報が途切れないため、パトカーと警察官を半年以上に渡り常駐することになりました。
当時のマスコミは、「日本一泥棒が入りにくいラーメン店」と報道したり、近隣住民のプラカード抗議を生中継したりしました。
しかしながら、税金の無駄使いであると社会問題となり、さすがに警察は7ヵ月で撤退しました。
また、2012年の閉店に関しても、近隣住民からの臭いへの苦情もあった中、別の店舗に引っ越そうとしたところ、次の店舗オーナーにも「臭いNG」をもらってしまい、移転できなくなってしまったことが理由だったようです。
豚骨ラーメンのあの独特の臭いを食べる側は良いですが、隣に住んでいる方からすると大きな迷惑となっていたのですね。
近隣住民との調整がうまくいかなかったラーメンとしては、大崎の六厘舎の大行列が有名ですが、なんでんかんでんも同じような苦労を抱えていたんですね。
「こな落とし」「プリント海苔」の開発!
川原社長のなんでんかんでんフーズは新しいことにもチャレンジされています。
1.こな落としを命名!!
私は博多ラーメンは麺カタメで食べるのが好きです。
カタメよりもさらに硬いのが、「バリカタ」「こな落とし」です。
その「こな落とし」を命名したのがこのなんでんかんでんなのです。
「麺の周りの粉を落とす程度でいいとね?」という川原社長とお客様とのやり取りがきっかけで、【こな落とし】と名付けたそうです。
2.食べる広告『プリント海苔』
ラーメンに乗せている海苔に広告をプリントすることを始めました。
食用インクとして、卵殻カルシウム、乳性カルシウム、でんぷん等を主原料に作っているため、もちろん食べられます。
海苔にまでビジネスチャンスを見出す嗅覚はすごいですね。
(引用)メシ通「なんでんかんでん」の川原ひろし社長と一杯やってわかったこと
メディアでは伝わりきらない川原さんの魅力
川原さんがテレビ番組『マネーの虎』に出演していることだけを切り取ると順風満帆に経営してきたかのように錯覚してしまいましたが、立ち上げ時期は色々な余波がありました。
メディアが社会問題として取り上げることで、より賛否両論を加速させる結果となっていました。
しかしながら、実際の川原さんはとても社交的なようです。
店舗で出逢うと気さくにお客様に声をかけたり、今ではYouTubeチャンネル『なんでんかんでん社長川原ひろし公式チャンネル』と開設していたりします。
川原さんのように一大ブームを作るくらいの突発的な結果を作るとそれに伴う波風が立つかもしれませんが、それも乗り越えた先にビジョンの実現があるのかと思います。
<参考>
◎マネー現代|2021/2/2|川原社長が激白…大復活「なんでんかんでん」が突然閉店した全真相!
◎「なんでんかんでん」の川原ひろし社長と一杯やってわかったこと
◎なんでんかんでんHP|なんでんかんでん伝説