高倉健氏こだわりのオーガニック製品の販売戦略について考えてみる

以前にたかくら新産業の代表取締役である高倉健氏についての記事をアップしました。

以前の記事では、主にオリジナルブランドである“メイド オブ オーガニクス”の立ち上げ秘話について書きました。プロダクトアウト型でつくったオリジナルブランドをどういった形で世の中に普及させて、売上を上げたのでしょうか。

今回の記事では、高倉健氏の販売戦略についていろいろ考えていきます。

消費者への誠実さにとことん向き合ったものづくり

たかくら新産業のオリジナルブランド“メイド オブ オーガニクス”はオーガニック成分の配合比率を製品に明記しています。

これは以前の記事でも取り上げましたが、法律の網目をすり抜けて消費者に対して真実を隠すような製品が流通している時代において、衝撃的な取り組みだと思います。

なぜなら、オーガニック製品に対する法整備が整っていない状況下では「書いたもん勝ち」という構図があるからです。事実、オーガニック成分の配合比率が100%と表記されている製品も、実際に詳しく調べてみると全体の1%のみ使用されているエッシェンシャルオイルのオーガニック配合比率が100%だったりするのです。

ボクも含めてそんなことを細かく調べる消費者なんてごく僅か。。。

ということは、中身にこだわり抜いたオーガニック成分の配合比率が80%の“メイド オブ オーガニクス”は、「製品の中身はよく分からないけどオーガニック成分の配合率100%と書かれているものよりも劣っている上に高価」というイメージがどうしても先行してしまいます。

こんな世の中で正直にオーガニック成分の配合比率を製品に記載することは、とんでもなくまっすぐだなと思いますが、SDGsが叫ばれているいまの世の中でたかくら新産業のような企業に光が当たるのは良い変化だなとも感じています。

もちろんオーガニック比率が高い製品の方が「地球環境に良い製品」という見方もできますが、それ以上に正直に全てをオープンにする会社としての在り方が高い評価を受けたのではないかと感じます。

オーガニック成分の配合比率を公開することは、これからもっと中身にこだわって質を上げていきますという高倉健氏の覚悟もあるはず。。。

しかし、どれだけ中身にこだわったとしても、それを認知してもらって消費者に届かないと事業としては成り立ちません。。。どのような戦略で認知を増やしていったのでしょうか。

改めてたかくら新産業の沿革について

会社について|たかくらとくらす|Takakura Official online store
引用:たかくら新産業会社について|たかくらとくらす|Takakura Official

たかくら新産業のオリジナルブランド“メイド オブ オーガニクス”への誠実な態度に関してはとても好感を持てます。しかし、こだわりの製品がどのようにして普及したのかが見えてきません。。。

なので、いったんは“メイド オブ オーガニクス”の開発以降のたかくら新産業の沿革を見ていくことでヒントを掴めればと考えています。2008年から2020年までで、たくさんの新製品を発売をし、さまざまな啓蒙活動を行ってきたことが伺えますね。

▼2008年
オリジナルブランド“メイド オブ オーガニクス”の企画・開発をし、オーガニック業界へ参入。高感度ファッションショップ、インテリアショップ、オーガニックショップなどで販売スタート。

▼2009年
大人気のドッグケアブランド「A.P.D.C.」の姉妹ブランド「Natural Pet」をリニューアル

▼2010年
国内で間伐材のプロダクト開発に取り組む森林保全団体 “more trees” の協力を得て「Chew for more trees」として発売開始

天然由来成分100%なのに、スプレーするだけでさまざまなものを強力消臭&強力除菌。ニオイ、細菌、ウイルス、隠れたダニなど、見えないものまでアプローチする「kirei water」の発売開始

コンセントに差し込むだけでOK。手間がかからず、置き場所にも困らない、新型アロマディフューザー「plug aroma」の発売開始

▼2013年
中学受験性支援プロジェクト」をスタート

▼2014年
「愛犬と天然アロマで快適な時間を」をコンセプトにした、犬用アロマ「DOG AROMAシリーズ」を企画・発売開始

▼2017年
タスマニア島、世界遺産の森で採れる、華やかな香りとコク深い味わいの良質な天然はちみつ「BLUE HILLS HONEY」を発売開始

「セックスのすべてに、新提案。」オーガニックの力で、セックスをもっと楽しく安心安全にする「bda ORGANIC」を企画・発売開始

女性の一生を健やかに導く「Pubicare organic」として大幅にリニューアル。

▼2018年
デリケートゾーンケア アンバサダー講座」を開始

▼2019年
一番大切な人に心から「だいじょうぶ」だと思えるものだけを、世界中から厳選してお届けする「だいじょうぶなもの」を企画・発売開始

日本人の髪質や頭皮、日本の風土を前提に考えられた、潔いヘアケアのシリーズ「余[yo]」を企画・発売開始

▼2020年
コロラド州の自社農園で栽培されたオーガニックのヘンプ植物から抽出したCBDを使用。内飲用のオイルや外皮塗布用のジェルなどを展開するブランド「Mary’s TAILS」を発売開始

以上になります。
ざっくりと沿革を見ましたが、10を超えるオリジナル製品やプロジェクトがあります。

製品の良さがクチコミで広がって消費者の手に渡ったのでしょうか。
外部メディアなどの取材を通したブランディングが功を奏したのでしょうか。
ホームページなどのコンテンツを充実させて、ユーザーとのタッチポイントを増やしたのでしょうか。
社会課題を解決するようなプロジェクトを立ち上げたことが良かったのでしょうか。

たしかに、製品の質の高さは間違いないと思います。
SDGsにも直結する製品や製法が時代にマッチしたとも捉えることができますが、そんな単純なものなのでしょうか。

次の記事でこの辺りを考察していければと思います。

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