宮田昇始氏・新事業に取り組む投資家としての価値観

先日の記事では、SmartHR創業者の宮田昇始氏の経歴について紹介しました。


そんな宮田氏ですが、前回の冒頭でも触れた様に、SmartHRのCEOを退任し、新たに子会社のNstock株式会社を立ち上げました。

今回は、創業者兼投資家として新たな事業に取り組み始めた宮田氏の現在の価値観について紹介します。

自身も対象にした適材適所の人員配置と判断力

(出典:宮田昇始のブログ、写真左が宮田氏、右は同社取締役の高橋氏)

今回の退任とNstock立ち上げの理由として、宮田氏自身は、ご自身のブログで、

退任を考え始めたきっかけは「会社の成長にあわせて起きる環境の変化に、適応し続けることが難しくなった」と感じるようになったからです。

(出典:宮田昇始のブログ

と語っています。

「事業規模が100人程度の時は、トップとして良い判断ができていたと思うが、事業規模が500人となった今は、自分の判断がよいとは感じていない。これから1000人、2000人となっていくと考えるとこのタイミングでのトップ交代が適切」
というのが宮田氏の考えです。

素人からみると、創業から10年も経っていないこともあり、「このタイミングで!?」、「まだ早いのでは!?」と思ってしまいます。
実際に、SmartHRの投資家からもそうした意見もあった様ですが、後任の芹澤氏や他の役員に相談し、投資家にも理由を説明して納得いただいての決定だったようです。

『適材適所』と言ってしまえばそれだけですが、自分自身がトップを辞める判断を下せることは簡単ではありません。
むしろ、創業者であっても、一人の役員としての最適なポジションが何かを考え、人員配置を決定できる判断力に宮田氏の凄さが伺えます。

「ストック・オプションを効率的に」新規事業へのこだわりと工夫

Nstock立ち上げの背景として、ストックオプションをはじめとした『株式報酬』を身近にしたいという思いがあると、宮田氏は言います。

株式報酬を身近なものにすることで、国内のスタートアップの創業者がより報酬を得やすくなる状況をつくり、国内のスタートアップの育成を支援することが目的です。

こうした思い、そして思いをすぐに行動を移せること(構想から約1年で創業していること)を考えると、やはり宮田氏は新規事業立ち上げが得意分野であると感じます。


また、宮田氏は、単に新事業を立ち上げるだけでなく、SmartHR社の子会社として立ち上げることで、「SmartHRという会社の新たな事業軸を作る」という意図も持って取り組んでいます。
Nstockの代表だけでなく、ファウンダーとしてSmartHRの役員は続けることで、グループとしてのSmartHRを成長させていく、という宮田氏の工夫が感じられます。

『自分より上手な人に任せる』ことができるリーダー

SmartHRの大切にしている価値観に『自分より上手な人に任せる』というものがあります。
これをまさに実践しているのが、宮田氏ではないでしょうか。

自分の強みを活かしできる工夫は最大限やりつつ、仲間の力も上手に引き出して事業を進めて行ける」

投資家として、新しいリーダーとして力を存分に発揮している、宮田氏の活躍には今後も注目したいです。
それでは。

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