瀬戸健氏が築き上げたRIZAPグループの再建について

今から約8年前、「結果にコミットする」という言葉が流行語になりました。
肥満体型の人が、音楽とともにその場で回転して引き締まったバキバキの肉体になるという、とてもインパクトのあるテレビコマーシャルを覚えている人はとても多いと思います。

今回は株式会社RIZAPグループの代表取締役である瀬戸健さんについて調べていきます。
コロナ禍での改革成果によって2022年3月期の売上収益1,623億円、営業利益52億円を叩き出し、2期連続黒字・大幅増益を達成した要因について掘り下げていきます。

しかも驚くべきことに、2021年3月期の売上収益は1,685億円で前年対比96.3％とほぼ横ばいなのに対して、営業利益は2021年3月度の15億円と比べて前年対比328％と大躍進を遂げています。それどころか、過去最高益を叩き出しています。

一体なにがあったのでしょうか。
【RIZAPグループ株式会社2022年3月期決算説明会】の資料を元に、まずは絶好調なRIZAPグループについて調べていきます。

売上横ばいの状況で利益が激増した背景は「経費削減」
RIZAPグループの売上アップの具体的な施策
1. １、乗るだけRIZAP「DOCTORAIR」
2. ２、『ダイエットサポートチップス20／プロテイン大豆パフスナック20』発売
今後のRIZAPグループについて

売上横ばいの状況で利益が激増した背景は「経費削減」

会社が利益を大きくするために必要なことは、「１、売上を上げる」、「２、経費を削減する」の2つの方法がありますが、売上が横ばいの状況で利益が上がったのであれば経費の削減に注力したということになりますね。

経費削減も含めて、RIZAPグループの瀬戸氏が行った具体的な施策は以下になります。

１、関連赤字会社の減少による利益向上

実際に、決算書を見てみると関連する赤字会社の損失累計が3年前の268億円から38億まで改善されています。33社あった関連赤字会社のうち、25社が黒字化、もしくは赤字縮小という結果になっています。

実は、2019年3月度から事業売却も積極的におこない、経営のスリム化を図っています。
具体的には、ヘアケア・ボディケアの販売子会社であるジャパン・ゲートウェイや、建築会社であるタツミプランニングの売却をおこなっています。調べてみて分かったことですが、そもそもRIZAPグループはM&Aを通して多くの事業を展開していたんですね。

そして、なんと販売管理費においては、247億円の経費削減に成功しています。
不採算店舗の統廃合を行い、2020年3月期では198店舗あったRIZAPですが、2022年3月期には168店舗まで縮小させています。そして、各店舗の稼働率UPに繋がっています。

２、売上収益におけるEC比率の倍増

RIZAPグループはコロナ禍前と比べて、売上収益におけるEC比率を倍以上にしています。具体的にいうと、コロナ禍でECを強化した結果、2019年3月度では9.0%だったところから、2022年3月期では20.8%まで伸ばしています。

グループ会社も含めると、対面型の小売店舗が多いRIZAPグループが、ECを強化するために採算性を鑑みて、322店舗以上の統廃合を進めた結果ですね。

３、業務のベストプロセス化

RIZAPグループは自らの人生の質を高めるための美容、健康、衣食住、趣味、語学など様々な分野の関連企業を有しています。

そのRIZAPグループは、お客様のニーズが根本的に変わっている現状で、「ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション（BPX）」と称してビジネスの在り方の再定義を行っています。2022年3月期決算説明会の資料の中では、RIZAPグループとしての重要なテーマである「企業も変われる。を証明する」のために、「共通業務の集約」や「全ての業務フローの洗い出し」、「統合データベースの構築」などを進めている段階だそうです。

事実、顧客データをRIZAPグループとして共有することができれば、非常に膨大なデータを駆使して更なる事業展開に繋げていくことが可能になりますね。