家入一真さんの『つよくてニューゲーム』経験値を引き継いで連続起業

今年10周年を迎えたクラウドファンディングの『CAMPFIRE』。
『CAMPFIRE』の創業者であり現代表取締役社長であるのが家入一真さん。

2001年に合資会社マダメ企画を起ち上げてから、飲食店、クラウドファンディング、ネットショッピングと数々の事業を起ち上げしています。
「日本の起業家ランキング 2021」で3位にランクインした連続起業家(シリアルアントレプレナー)でもある家入一真さんの経歴について徹底調査してみました。

株式会社paperboy&co.

福岡県生まれの家入一真さんが最初に立ち上げた起業で、2001年に合資会社マダメ企画からスタートしています。
最初に開始したレンタルサーバー『ロリポップ!』の提供やブログサービス『JUGEM』(2021年4月に株式会社メディア―ノへ譲渡)、ネットショップ構築サービス『カラーミーショップ』などインターネットで何かをはじめたい人向けにサービスを提供しています。

実はブックレビューサイトの『ブクログ』も家入一真さんが個人的に開発をおこなったアプリで、後に会社のサービスとして提供開始されています。

2008年にJASDAQに最年少で上場を果たしています。

株式会社paperboy&co.立ち上げの経緯はこちらに書いています。

2009年からはオープン間もない「ロリポップ!」の運営を手伝ってていた佐藤健太郎さんが代表取締役社長を務め、2014年にGMOペパボ株式会社へと社名を変更しています。

当時の奥様で現在はエッセイストとして活躍されている紫原明子さんによると、スタート当時年収250万円程度でしたが、1年後くらいから年収2500万円程度になったそうです。
資産10億円からの散財…紫原明子さん「日本一炎上しがちな夫」と離婚するまで

株式会社パーティカンパニー

本格的に飲食店経営に乗り出した時に作った会社です。
2年で8店舗にまで増やしたものの、オーナーという立ち位置でコンセプトや内装には関わっていましたが、運営の細かい数字をみることはせずに赤字が続き、『ON THE CORNER(オンザコーナー)』を残して撤退。
2019年4月に株式会社partyfactoryに合併し会社自体は閉鎖しています。

『ON THE CORNER(オンザコーナー)』は2010年当時としては珍しいWi-Fiが使えるカフェで、多くのノマド利用者が使っていたそうです。建物の老朽化に伴い、2019年7月で閉店しましたが、11月にパルコに復活しています。

飲食店立ち上げ時の話はこちらに詳しく書いています。

株式会社ハイパーインターネッツ

クラウドファンディングプラットフォーム『CAMPFIRE』の運営をしている会社。
2011年に石田光平さんと共に創業し、2016年に現在の株式会社CAMPFIREに社名を変更。2021年現在約の5万のプロジェクトが採択され、国内最大となっています。

個人的にはテクノロジーやガジェットのプロジェクトを見に行ってしまうことが多いです。
最近ではコロナ下での、飲食店支援や地元の医療従事者支援として山梨県出身の藤巻亮太さん(レミオロメン)が地元新聞社とコラボしてチャリティライブをおこなうプロジェクトもあります。

藤巻亮太さんのチャリティーオンラインライブで山梨県の医療従事者の力になりたい!

ちなみに、今年『勿忘(わすれな)』で話題沸騰中のAwesome City Clubも基本は配信シングル限定でリリースするという今時な方法をとりながらも、クラウドファンディングで『アウトサイダー』『Don’t Think, Feel』『今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる』の3曲をCD化しています。
しかも、7インチシングルがついていたという、とても懐かしいリターン。

他にもスタートアップなど未上場会社とエンジェル投資家をつなぐクラウドファンディングのCAMPFIRE Angels(キャンプファイヤー エンジェルス)や社会課題の解決を目指すGoodMorning(グッドモーニング)や地元に特化したFAAVO(ファーボ)も運営しています。

Liverty

飲食店経営をしていたパーティカンパニーで社員をクビにしなければいけなかった苦い経験から人を雇うということをあまりしたくなかったそうです。

雇用や会社に縛られない組織作りが出来ないか考えたすえに出来上がったのがLivertyという団体です。

「自由に生きろ。」(Live in Liberty.)をコンセプトに掲げ設立されたものづくり団体です。

Livertyについて

家入一真さんが引きこもりで、学校や家にも居場所がない経験をしていたこともあり、現代の駆け込み寺として『リバ邸』を六本木でスタート、今では全国に70棟以上拠点があるようです。

また新聞奨学生をしていた経験から大学でより学びやすくしたいという想いがあったそうです。モノではなくヒトに対するクラウドファンディング学生自身が学費を稼ぐためのプロジェクトとして『studygift』を開始しました。
最初のケースは、支援金のリターンとして大学で学んだことをレポートとしてパトロンに提出するもの。目標金額の百万円を達成するものの、学生個人に対する批判まででて学生本人から返金の申し出がでてしまい、プロジェクトを休止。
パトロンとして支援金を払った実際の関係者からは、「返金など望んでいない、ぜひ学費に役立ててください」というプロジェクトの趣旨に理解がある意見が多かったようです。
今は『Crono』という奨学金の提供・返済支援プラットフォームで、当時やりたかったことに再挑戦しています。

BASE株式会社

前述したLivertyから生まれたのが2019年にマザーズに上場したBASE株式会社でした。
鶴岡裕太さんを中心にネットに詳しくない人でも簡単にネットショップを作れるようなサービスを作りたいという想いで、2012年11月ににECサービス『BASE』をリリース。2021年には150万ショップがオープンしています。

東京都知事選

『リバ邸』を運営する中やTwitterで相談にのったりする中で、居場所の必要性を何かのかたちで訴求できるのではないかと思い都知事に立候補したそうです。
選挙の供託金(選挙に出馬するための費用)をクラウドファンディングで集める、当初は街頭演説を行わずツイキャスなどによるネット演説を行ったり、Twitter上で集めた意見から政策を考えるという新しい試みを行いました。

供託金はクラウドファンディングで集め始めたものの、選挙立候補時に払わなければならず、届出までにはまにあわないというピンチもありましたが、ホリエモンこと堀江貴文さんが「供託金、どこかに落ちてないかなあ」というつぶやきを見て「供託金、貸そうか?」と連絡してくれたそうです。
クラウドファンディングの結果は目標300万円に対して750万円近くが集まりました。
最終的に集まった額にも期待のあらわれがでていましたが、結果は残念ながら5位で落選という結果でした。

NOW株式会社

2018年に設立したベンチャーキャピタル(VC)『NOW株式会社』。
ベンチャーキャピタルとは、投資家から資金を預かって、その資金をスタートアップ企業に投資することで、スタートアップの成長を促しよりよい世界の実現を早めていく手段。

第一号ファンドとして「Founder Foundry 1号投資事業有限責任組合」を組成し50億円規模の募集をかけ70社を超える投資を行い、今年2021年4月には2号ファンドとなる「Founder Foundry 2号投資事業有限責任組合」で100億円を募集しています。投資先領域については1号ファンドと同じくSaaS、DX、SNS、D2C、ブロックチェーン、EC、AR/VR、SDGsなど、B2B、B2C問わずオールジャンルで活動を実施するようです。

26歳ごろからエンジェル投資家をしていた経験もあり、エンジェル投資の延長線上としてベンチャーキャピタルをおこなっています。
ベンチャーキャピタルにすることで、物事やプロジェクトの規模を拡大すると考えてスタートしたそうです。

成功するかしないか、その違いは、「成功するまで、打席に立ち続けられるかどうか」ということだけだと思います。

【家入一真×合田真】いつかは起業したい20代が、知っておくべき5つのこと

家入一真さん自身が様々な困難を乗り越えながら何回もチャレンジしてきたからこそ、起業したけれど失敗した人たちをどうケアしていくか、復活させるかということもベンチャーキャピタルの役割と考えられているようです。

何度も挑戦して、新しい世界に関わり続けることが、私の考える投資です

家入一真さん自身が立ち上げた会社の数々のサービスを目にしたころがある人も多かったのではないでしょうか。

「やってみた結果、やっぱり興味なかったってことはありますよ。でも何度も挑戦して、新しい世界に関わり続けることが、私の考える投資です」

「投資って面白い物語への参加料なんです」 家入一真の世界と教養の広げ方──〈儲けるため〉ではなく〈世界を知るため〉に投資しよう#1

新規事業にベンチャーキャピタルとして投資をおこなったり、新しいことをしても今までのうまくいった経験も上手く行かなかった経験も活かしているからこその「日本の起業家ランキング 2021」で3位にランクインという結果のように感じます。

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