山田進太郎さんがメルカリ急成長の裏で時間をかけた仲間づくり

長者番付では昨年44位から8位まで躍進を遂げている山田進太郎さん。

山田進太郎さんが手がけたメルカリは、2018年の上場前には企業価値が10億ドル(1,100億円)のユニコーン企業に日本で唯一なりました。

そんなメルカリも2013年のサービス初日は400ダウンロード。何も広告しなくてもダウンロードされる数以下というところからスタートしました。

その後2014年には500万ダウンロードを突破し、劇的に右肩上がりになる中で、2018年には7,700万ダウンロードと日本国民の半分はダウンロードしているという規模にまで成長しています。

後発でありながらも、現在ではフリマ市場一強になっている要因に組織の力の強さを感じます。そんな、山田進太郎さんがこだわってきた仲間づくりについて書いていこうと思います。

富島寛さん

サイバーエージェントの創業者である藤田晋さんの著書を読んで、起業に価値を見出した。

当時スタートアップ企業だったエルテスにインターンとして入り、システム設計のイロハを学びました。プログラムを少しずつかけるようになり、出会った仲間と株式会社バンク・オブ・イノベーションを設立。2007年に動画検索サービス『Fooooo』を立ち上げる。

YouTubeやニコニコ動画が流行していた時期で、これらの動画を横断的に検索できるサービスでした。山田進太郎さんがとは同じ時期に早稲田大学にいたという共通点もありますが、当時は接点がありませんでした。設立したウノウのエンジニアが書いたブログ情報を参考にPHPというプログラミング言語で開発をしていた経緯もありインターネット業界の人が集まる会合で声をかけたことで山田進太郎さんに出会います。

バンク・オブ・イノベーションは動画の収益化がうまくいかず、ソーシャルゲームに舵をきりましたが、富島寛さんは興味がもてずに2010年に退社。 世界一周から帰ってきた山田進太郎さんに誘われメルカリへ。プロダクトの企画を主に担当します。2022年は山田進太郎とともに長者番付にも名を連ねています。

石塚亮さん

父親の転勤により中学時代からアメリカへ。ジョンズ・ホプキンズ大学に行った際に、学生寮で同室になったシェン・ジアさんと出会います。電子メールの詐欺防止サービスを手掛けるスタートアップ企業に在籍していたシェン・ジアさんからの誘いを受けます。

その際に広告のためにSNSサービス『マイスペース』で写真を組み合わせて公開できるサービスを作ったところ2週間で100万人もの利用者を獲得しました。このサービスなら単独でビジネスとしてやっていけると踏んでロックユーという新会社を設立しました。

広告配信のサービスを利用していたジンガの影響もありゲーム市場にも参入。

山田進太郎さんは、既に世界で使われるインターネットサービスを体現している石塚亮さんに話を聞くために、共有の知人経由でアポイントメントをとったことで知り合います。ウノウの買収交渉の際にもロックユーアジアとも話をしています。

ソフトバンクと共同でロックユーアジアを設立するが、日本の携帯電話を基盤としたソーシャルゲーム市場をうまくとらえられず、2012年末にインターネットサービスを扱う中国企業のテンセントに売却をする。

アメリカで再度スタートアップを考えているときに、山田進太郎さんからのオファーもあり、メルカリに参加します。 プログラミング能力が高かったため、エンジニアとして開発を行いながらも、経理や人事といった仕事もこなしていました。

人への投資を継続し続ける山田親太朗さん

現在も山田進太郎さんは人への投資を続けています。2021年8月にはD&I(ダイバーシティ・アンド・インクルージョン)をテーマにした財団を設立。私財30億円を投じて、理系志望の女子高校生を対象に奨学金支給を支給する予定です。

エンジニアが多くを占めるメルカリにおいても女性管理職や女性エンジニアを増やすためには、そもそも理系やテクノロジーを志す女性が増える必要があるからといった理由もあるようです。 今後も、人に投資をし続けることで躍進するメルカリの成長が楽しみです。

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