清水宏保氏・オリンピック金メダリスト経営者の価値観とは!?〜前編〜

出典:TWO.SEVEN BODY 公式ホームページ

先日の北京オリンピックでは、日本選手団は合計で18個のメダルを獲得しました。

個人的には、大会の終盤、女子のスピードスケートの高木美帆選手が今大会5種目目の出場で金メダルを獲得したシーンが印象に残っています。

オリンピックのスピードスケートといえば、1998年に開催された長野オリンピックの金メダリスト、清水宏保氏を覚えている方も多いのではないでしょうか。

スピードスケート日本人初の金メダリストとなり、当時の世界記録を更新するなど大活躍した清水氏ですが、現在は株式会社 two.sevenの代表取締役として、リハビリや介護、フィットネスに関する事業に携わっています。

今回は金メダリスト経営者として活躍する清水宏保氏の経歴や大切にしている価値観を紹介します。

幼少期に身につけた清水氏の不屈の精神

出典:Olympics.com |特集|清水宏保:スピードスケートの金メダリストは今、介護施設やスポーツジムを営む経営者として活躍中【五輪の星たちのその後】

清水氏は、小児喘息の持病があり、体も非常に小柄でした。
スピードスケート史上初の金メダリストと聞くと、何かしら恵まれた環境で競技に打ち込めていたと思ってしまいがちですが、決してそうではありませんでした。

それでも清水氏は厳しい父親の教育もあり、そして負けず嫌いの生活もあって、高校時代にはインターハイで優勝するまでの選手になります。

清水氏の父親は、清水氏が小学校2年の時に「余命半年」の宣告を受けますが、清水氏が高校3年のインターハイで優勝するまで、一番身近なコーチとして厳しくも真剣に清水氏のトレーニングに共に取り組んでいました。
清水氏自身が振り返って「本当に嫌だったが、父の指導がなければ今の自分はない」というほどのトレーニング。これによって、その後の人生において清水氏の大きな活躍の基礎となる不屈の精神を身につけることになりました。

清水氏のもつ「危機感」〜事前準備の大切さ〜

出典:Amazon.co.jp 『人生の金メダリストになる「準備力」 成功するルーティーンには2つのタイプがある (講談社+α新書)』

清水氏が大事にしている価値観の一つに「危機感」があります。
清水氏の著書の中でも紹介され、現在でも自社のモットーに「危機感」という言葉を掲げるほど、清水氏にとってキーとなる価値観です。

「レース本番においてどんなことが起こり得るか事前に色々と想定をし、その対策を考えて練習し、そして本番に臨む」。言い換えれば、清水氏は、事前準備を非常に大切にしていました。

また、清水氏は、先述のように喘息や小柄と言った弱点を幼い時から意識し、それをどう克服するかを常に考えるようにしていました。
「自分の弱点は何か」を考え、さらに「弱点をどう乗り越えるか」を考えることで、日本代表として世界で勝つためにやるべきことを考え実践していました。

スポーツの世界において、今では当たり前になっている「試合前のルーティーン」も清水氏は当時から取り入れて実践していたことの1つです。「試合の30分前に床に大の字になる」というルーティーンによって、目の前のやるべきことに集中できるようにしていたそうです。

「事前準備」と言葉にして言うのは簡単ですが、それを徹底していたこと、 金メダルを獲得するまで継続していたことに清水氏の凄さがあります。

未来の金メダリストの『その後』をつくる

出典:株式会社 two seven 公式サイト

清水氏は長野オリンピックでの金メダル獲得後、2012年に現役を引退。その後は国会議員選挙に出馬するなどスポーツ以外の分野にも挑戦していました。政界進出はなりませんでしたが、様々な経験を経て、現在では経営者として活躍しています。

金メダリストであれば指導者としての道も考えられたと思いますが、清水氏は指導者としてではなく、「スポーツ選手の第2の人生 」、つまり自分も含めたスポーツ選手の現役引退後に活躍できる場を作ることに注力しています 。

清水氏が手がける事業はスポーツ選手の強みを活かせる事業がほとんどです。
例えば、「怪我の経験が多い元スポーツ選手だからこそ、怪我をした方のリハビリにその経験が活きる」と考え、リハビリ事業を行っています。

スポーツ選手の現役時代であれば 、怪我は大きな障害となります。
しかし、そうした経験をしている元スポーツ選手だからこそ、スポーツ選手に限らず怪我をした方のケアを親身になってできると清水氏は考えています。
ここにも清水市の「弱点との向き合い方」、言い換えれば強みの活かし方が見てとれます。


今回の記事では清水氏の簡単な経歴と競技者として成功した価値観について紹介しました。
現在の経営者としての清水氏の価値観や将来のビジョンについては別の回で紹介したいと思います。

それでは。

タイトルとURLをコピーしました