最近、長年使用していたiPhone8とサヨナラをして、iPhone13に機種変更しました。
まだ、データ移行等はしていないのですが、いまからワクワクしています。
個人的には、スマートフォンといえばiPhone一択なのですが、そんなスマートフォン業界に殴り込んできた企業をご存知でしょうか。
その会社の名前はバルミューダ株式会社。
バルミューダ株式会社はデザインにこだわり抜いた家電メーカーです。
そして、本日の記事はバルミューダ株式会社の代表取締役である寺尾玄さんについて書きます。
まずは、寺尾さんの簡単な経歴から調べてみましたが、非常に野生味あふれるものになっています。
高校2年のときのお話です。
将来の進路調査アンケートの提出を求められた際に、「自分の将来の可能性を狭めるようなアンケートに嫌気がさした」ということで、進路調査アンケートの代わりに退学届を提出して、欧州へ放浪の旅に出たそうです。スペイン、イタリア、モロッコなど、地中海沿岸各国を約1年かけて。
思考回路が一般的な人とは大きく違っているということと、圧倒的な行動力が上記のエピソードから見て取れます。
そして、約1年間の放浪を終えて日本に帰ってきた時には「なんでもできる」という状態になっていたそうです。
いきなりものづくりの道に進むと思いきや、なんと「まずはロックスターになる」と決めて音楽業界に飛び込みます。
まだ冒頭ですが、とても波瀾万丈な人生を歩んでいそうな気がしてまりませんね。
ロックスターになると決めてチャレンジを始めた3ヶ月後には、なんとレーベルとの契約に漕ぎ着けます。
凄すぎる。。。
華々しいスタートダッシュを切った寺尾さんですが、そこから約10年間はもがき苦しみます。
思うようなヒットを出せずに、結局は音楽への熱量がなくなったタイミングで大きく方向転換していくことになります。
大きく方向転換した先の業界がものづくりでした。
ここで、ようやく寺尾さんがものづくりと接点を持つことになります。
高校を中退して一人でヨーロッパを放浪。
その後、日本へ戻ってきてチャレンジしたのは音楽業界だったので、寺尾さんはそこから独学と工場への飛び込みで設計や製造を習得します。
2003年に有限会社バルミューダデザイン株式会社を設立し、同社の代表取締役兼チーフデザイナーとして再チャレンジすることになります。
寺尾玄さんの製品開発コンセプトとは?
ホームページからも分かるように、デザインにこだわったスタイリッシュな家電メーカーであるバルミューダ。
『卓越した創意工夫と最良の科学技術で新しい価値を生み出し、人々の役に立つ。』
という経営理念のもと、さまざまな生活家電を生み出しています。
2010年に発表された自然界の心地よい風を生み出せる『The GreenFan』という扇風機で、一躍世間の注目を集めました。非常にシンプルでスタイリッシュなデザインで、お値段は39,600円(税込)という価格設定になっていますね。
スタイリッシュなデザインもそうですが、設計にも余念がありません。
「自然界の心地よい風を生み出す」というコンセプトのために、二重構造の羽根を採用して大きな面で移動する空気の流れを作っているそうです。
感動のトースターと呼ばれている『BALMUDA The Toaster』
「世界一のトースター」ではなく、「世界一のトーストが焼けるトースター」という開発コンセプトで、大ブレイクを果たしています。
価格が25,850円(税込)と決して安くないにも関わらず、2015年に発売を開始して国内外で累計100万台以上を売り上げているバルミューダの看板製品です。実際に2020年度の決算報告書には下記のように書かれています。
リニューアル後も女性誌を中心に評判が続いた。ステイホーム期間に自宅で調理を楽しむ人が増えその売上は伸長を続け、2020年12月は単月売上が過去最高に。
出典:https://kabuyoho.jp/discloseDetail?rid=20210212462729&pid=140120210212462729
フォーカスしているポイントはデザインよりもそれを使用する人の人生そのもの。ここに寺尾さんの仕事の対しての哲学が見え隠れしていますね。
寺尾玄さんの「モノ」ではなく「体験」を売るマーケティング戦略
寺尾さんご自身はマーケティングはしないとおっしゃっていますが、顧客に提供しているものは「モノ」ではなく、あくまでも「体験」というポイントに拘って開発をされています。
ビジネスは結局は人間関係。
世の中に扇風機やトースターはたくさんある中で、後発ながら大ヒットを生み出した理由は、ここにあるのではないかと感じます。
顧客にお願いをするのではなく、顧客を喜ばせること。
バルミューダ製品を通して、「素晴らしい人生に繋がっているかどうか」にとことん拘ったことが、今の快進撃に繋がっている。“あなたの●●にこのように役立ちます”というのが、人がものを買う唯一の理由なので、顧客へどれだけの価値を提供できるのかがとても大切ですね。
これはどんな事業に対しても言えると思います。
既に飽和している家電業界において、後発ながらも大健闘している理由は製品に対しての、ヒトに対しての圧倒的なこだわりなのかもしれませんね。